7月「鰻xワインペアリング」開催レポート

2026年8月17日KousukeMizutani DaikiOkazaki

うなぎと日本ワイン、そして世界のワインが織りなす贅沢なペアリング。

夏の訪れとともに、滋養豊かな鰻が恋しくなる季節ですね。
ワインバー幸では、恒例となっているペアリング会として「鰻」をテーマに開催いたしました。

今回も尾張会席 誠名様とのコラボレーションにより、鰻を主役に据えた特別コースと、ワインバー幸が厳選したワインとのペアリングをお楽しみいただきました。
会場はワインバー幸はなれと尾張会席 誠名。
2日間、昼と夜の2部制での開催となり、多くのお客様にお越しいただきました!

鰻というと蒲焼きのイメージが強い食材ですが、うざく、出汁仕立てのお椀、寿司、かき揚げ、炊き込みご飯と、一皿ごとにまったく違う表情を見せてくれるのも鰻の魅力ですね。
ワインバー幸では毎回、事前に料理とワインを実際にテイスティングしながら、一皿に対して一本のワインを丁寧に選び抜いています。
基本的には1品につき1ワインを合わせるスタイルで、それぞれの料理が持つ味わいの個性を最大限に引き出せるよう組み立てました。

料理xワインペアリングのご紹介

先付け

先付「うざく」× クレマン・ダルザス・ブリュット・ナチュール(ノンドサージュ) NV
生産地:フランス/アルザス地方
生産者:ドメーヌ・ヴァンサンフライト
品種:リースリング、ピノ・グリ、オーセロワ


コースの始まりは、きゅうりの爽やかさと酢の効いたうざくから。
合わせたのは、ノンドサージュ(無補糖)のクレマン・ダルザスです。
糖分を加えていないぶん、きりりとした酸とミネラル感がダイレクトに感じられ、うざくの酸味と美しく寄り添います。
鰻の脂をすっと洗い流し、次のひと口へと気持ちよくつないでくれる乾杯にぴったりの一杯でした!

お椀

お椀「鰻 すっぽん出汁 九条葱 粉山椒」× ソワフ・ブラン ドメーヌ・ル・ルー・ブラン 2023
生産地:フランス/ラングドック地方
生産者:ドメーヌ・ル・ルー・ブラン
品種:グルナッシュ、ベルメンティーヌ、テレ、マカブー

すっぽん出汁の滋味深い旨味に、九条葱の香りと粉山椒のピリッとしたアクセントが効いたお椀。
ラングドックの個性派ブレンドであるソワフ・ブランは、果実味とほのかな塩味のニュアンスを併せ持ち、出汁の旨味と溶け合うように調和します。
粉山椒の香りがワインの中に潜む複雑なアロマを引き立て、和食の繊細さと自然派ワインの奥行きが響き合う一皿となりました!

寿司

寿司「鰻 錦糸卵」× タラパカ グラン・レゼルバ ホワイト・ラベル シャルドネ 2024
生産地:チリ/アコンカグアヴァレー
生産者:タラパカ
品種:シャルドネ

甘辛いタレをまとった鰻の寿司に、錦糸卵のやさしい甘みと山椒の醤油付けが加わる一皿。
チリ・アコンカグアヴァレーの冷涼な気候が生むシャルドネは、果実の凝縮感としっかりとした酸を兼ね備えており、タレの甘みに負けない骨格の強さが魅力です。
錦糸卵のまろやかさがシャルドネの果実味とふわりと重なり、鰻寿司の甘辛さを上品にまとめ上げてくれました。

焼き物

焼き物「鰻 とうもろこしかき揚げ」× 高畠 バリック シラー 2019
生産地:日本/山形県
生産者:高畠ワイナリー
品種:シラー

コースの終盤、香ばしく焼き上げた鰻ととうもろこしのかき揚げ。
合わせたのは山形県・高畠ワイナリーのバリック(樽熟成)シラーです。
スパイシーな香りとしっかりとしたタンニンが、鰻の香ばしさやとうもろこしの甘みと見事にマッチし、日本ワインならではの繊細さも感じられる一本でした。
「赤ワインは鰻にも合うんだ」という驚きの声もいただき、今回を象徴するペアリングとなりました!

ご飯

コースのご飯ものには、土鍋でじっくりと炊き上げた鰻の炊き込みご飯。
ふっくらと炊き上がったご飯に、香ばしく焼き上げた鰻がごろごろと贅沢に乗り、立ちのぼる香りだけでもうっとりしてしまう一品でした!
鰻の旨味がご飯一粒一粒にしっかりと染み込み、ここまでのペアリングで味わってきたワインの余韻とともに、コースの満足感を締めくくる一皿となりました。

水物

コースの最後を彩ったのは、じゅんさいを使った涼やかな羊羹。
つるりとしたじゅんさいの食感と、上品な甘さの羊羹が寄り添う、夏らしい一品です。
濃厚な鰻料理が続いた後だからこそ、この涼やかな喉ごしと優しい甘みがすっと心地よく、食事の締めくくりにふさわしいひと品でした!

追加スペシャルワイン

今回はコースのペアリングとは別に、スペシャルワインとして「KUHEIJI アロース・コルトン レ・ヴァロジエール 2018」もご用意いたしました。

このワインを手がけるDOMAINE KUHEIJIは、名古屋が誇る日本酒「醸し人九平次」の造り手である久野九平治氏が、2013年にフランス・ブルゴーニュへ渡り、ゼロから始めたワイナリーです15年間「醸し人九平次」を造り続けた後、2013年にフランスへ渡り、日本酒造りで培った感性を活かしながら、ブルゴーニュの地でワイン造りに向き合っています。

今回の「アロース・コルトン レ・ヴァロジエール」はプルミエ・クリュのすぐ下部に隣接する同名の区画から生まれた一本で、たっぷりと太陽を浴びたことがわかる濃い色合いと、それを裏付けるしっかりとした果実感が特徴。ラズベリーやチェリーのコンポートを思わせる香りが印象的でした。
名古屋にルーツを持つ造り手が、遠くブルゴーニュの地で紡いだ一本を、地元・名古屋の会でお楽しみいただけたのも、今回ならではの特別な体験だったのではないでしょうか!

ペアリングの楽しみ方

今回改めてお伝えしたのが、ペアリングをより楽しむためのお召し上がり方です。

お料理が口の中からなくなり、後味が残っている間にワインをお召し上がりください。
お料理とワインを同時に口に入れてしまうと、お互いの良さを消し合ってしまうことがあります。
後味に重ね合わせるように交互にお召し上がりいただくことで、それぞれの繊細な風味の調和を存分にお楽しみいただけます。

最後に

今回のイベントでは、フランス・チリ・日本と、産地の異なる4種類のワインを織り交ぜながら、鰻という一つの食材が持つ多彩な表情に寄り添うペアリングをご提案しました。

うざくのような酸味のある前菜から、出汁の旨味、甘辛いタレ、香ばしい焼き上がりまで、同じ鰻でも調理法によってこれほどワインとの相性が変わることを、改めて実感いただけたのではないでしょうか。

ワインバー幸では、これからも旬の食材とワインの魅力を掛け合わせたペアリング会を定期的に開催してまいります。
次回のペアリング会もどうぞお楽しみに!

ワインショップ幸では、今回ご紹介したワインをはじめ、和食に合う一本を多数ご用意しておりますので、ぜひご自宅でもお気に入りの一本を見つけてみてください。

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