6月「鮎×ワインペアリングイベント」開催レポート

2026年8月9日

6月「鮎×ワインペアリング」開催レポート|鮎と日本ワイン・長野ワインを楽しむ

初夏の訪れを感じる6月、Wine Bar 幸では、日本の夏を代表する味覚「鮎」をテーマにした特別なペアリングイベントを開催しました。

今回のお食事は、尾張会席 誠名の柄澤大将による鮎料理のコース。旬の鮎を使ってさまざまな調理法によって変化する鮎の味わいを楽しんでいただきました。

そこに合わせたのは、Wine Bar 幸が選んだ4種類のワイン。

今回は、長野県東御市の日本ワインをはじめ、ニュージーランドやカナダのワインも取り入れ、「鮎にはどんなワインが合うのか?」を一皿ずつ考えながらペアリングをご提案しました。

鮎の繊細な旨味や香り、ほろ苦さ、焼き上げたときの香ばしさ。それぞれの個性にワインを合わせることで、鮎料理の新たな魅力を発見する時間となりました。

先付「稚鮎揚げ出し」× ぼんじゅーる農園 祢津 アリゴテ 2024

最初の一杯は、ぼんじゅーる農園「祢津 アリゴテ 2024」。

長野県東御市、海抜767~773mに位置する畑で育ったアリゴテを使用した辛口白ワインです。

合わせた料理は「稚鮎揚げ出し 大根 若荷 生姜 鮎蓼」。

稚鮎の繊細な味わいに加え、揚げ出しによる香ばしさ、大根や生姜、鮎蓼の風味が重なる一品です。

ワインから感じられるアカシアや和柑橘、レモンピール、フェンネルなどの香りと、爽やかな酸味、そして果実味が料理に寄り添います。

特に印象的なのが、鮎とアリゴテが持つほのかな苦味の重なり。苦味同士がぶつかるのではなく、心地よいアクセントとなり、後味をすっきりとまとめてくれました。

「鮎と日本ワイン」の組み合わせを楽しむ一杯目として、まさに初夏らしいペアリングです。

そして、長野県東御市という冷涼な土地で育まれたブドウから造られるワインが、繊細な和食と自然に調和することも感じていただけたのではないでしょうか。

造り「二種」× ドメーヌ・ヒロキ メルロー・ロゼ 2024

続いては「造り 二種」。

ここでは、少し意外性のあるドメーヌ・ヒロキ「メルロー・ロゼ 2024」を合わせました。

長野県池田町で造られるメルローのロゼワインで、きらめく透明感のある淡いオレンジ色が印象的な一本です。

サワーチェリーやブルーベリーを思わせる、ほんのり甘いニュアンスの香りに加え、ふくよかな果実の甘み、優しい酸味、旨味のある厚みが感じられます。

お造りは、焼き物とは異なり、魚そのものの繊細な風味をより直接的に楽しめる料理。

そこで、ワインの優しい果実味と酸味を合わせることで、魚の味わいを包み込みながら、口の中に心地よい余韻を残します。

「和食に合う日本ワイン」という視点でも、ロゼワインは非常に面白い選択肢です。

白ワインだけではなく、料理の味わいや食材の質感に合わせてロゼを選ぶことで、和食とのペアリングの可能性がさらに広がります。

寿司「稚鮎寿司 木の芽」× キムラ・セラーズ ネルソン・アルバリーニョ 2025

三品目は「稚鮎寿司 木の芽」。

鮎の旨味に加えて、寿司飯の酸味、木の芽の爽やかな香りが重なる一品です。

ここに合わせたのは、ニュージーランド・ネルソン地区のキムラ・セラーズ「ネルソン・アルバリーニョ 2025」。

爽やかなライムやオレンジの皮、そして白い花や蜂蜜を思わせる香り。味わいには若々しさとともに凝縮感があり、オレンジや桃のような果実の風味と、塩味のニュアンスが感じられます。

このワインの魅力であるしっかりとした酸味が、寿司飯の酸味と鮎の旨味をつなぎ、さらに木の芽の香りとも心地よく調和。

鮎料理といっても、調理法が変われば必要とされるワインの個性も変わります。

焼き物「鮎塩焼き 蓼酢」× ケイヴスプリング ガメイ 2023

そして、鮎料理の王道ともいえる「鮎塩焼き 蓼酢」。

今回最後の一杯として合わせたのは、カナダ・オンタリオ州のケイヴスプリング「ガメイ 2023」です。

「鮎には白ワイン」というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、今回はあえて赤ワインをセレクトしました。

冷涼なナイアガラの丘陵にある「ビームスビル・ベンチ」で生まれるこのガメイは、果実味豊かな味わいに加え、ブラックペッパーや赤い果実を思わせる香りが特徴。

鮎の塩焼きから生まれる香ばしさと旨味に、ガメイの生き生きとした果実味が重なります。

さらに蓼酢の爽やかな風味が加わることで、赤ワインでありながら重たくなりすぎず、鮎の余韻を引き立ててくれました。

「鮎には白ワイン」という固定観念を少し離れてみると、ペアリングにはまだまだたくさんの可能性があります。

鮎とワインが生み出す、新しい味わい

今回のペアリングを通して改めて感じたのは、鮎という食材の奥深さです。

稚鮎の繊細な味わい、造りで感じる鮎本来の風味、寿司と木の芽の香り、そして塩焼きの香ばしさ。

同じ鮎でも、調理法によって味わいは大きく変化します。

だからこそ、ワインも「魚だから白ワイン」という選び方ではなく、料理の味わいや香り、酸味、旨味、食感まで考えて選ぶことが大切です。

特に今回ご紹介した長野ワインは、鮎をはじめとする繊細な和食との相性を考えるうえで、とても興味深い存在です。

長野県の冷涼な気候と標高の高い産地で育まれるブドウから造られる日本ワインには、料理を邪魔することなく、その味わいを引き立てる魅力があります。

「和食に合う日本ワイン」を探している方にも、ぜひ知っていただきたい長野ワイン。

そして、鮎とワインの組み合わせには、日本ワインだけでなく、世界各地のワインにもまだまだ新しい発見があります。

ペアリングは「料理の余韻」の中で

今回の会でも、ペアリングワインをより楽しむ方法として、「料理を食べた後、余韻が残っている間にワインをいただく」ことをご案内しました。

料理とワインを同時に口に入れるのではなく、まず料理を味わう。

そして、口の中に残った鮎の旨味や香りを感じながら、ワインをひと口。

そうすることで、料理とワイン、それぞれの繊細な風味が重なり、新しい味わいを感じることができます。

今回の「鮎×ワインペアリング」が、皆さまにとって鮎とワインの新たな魅力を発見する機会となっていましたら幸いです。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

Wine Bar 幸では、これからも季節の食材とワインを組み合わせ、その時期だからこそ楽しめるペアリングをご提案してまいります。

旬の鮎と日本ワイン、そして世界のワインが織りなす初夏の味わい。

次回のペアリングイベントも、どうぞお楽しみに。

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