12月「クリスマス会席×ワインペアリングイベント」開催レポート

2025年12月22日

——美食と美酒が響き合う、年に一度の特別な夜——

尾張会席誠名とWineBar幸によるコラボレーションイベント
『クリスマス会席×ワインペアリングイベント』 が開催されました。
和の伝統を大切に守り続ける誠名の会席料理と、幸が厳選したワイン。その融合は、料理とワインを単に合わせるだけでなく、一夜限りの完成された物語として参加者を魅了しました。


① 先付 聖護院大根鮑振りゆず

ペアリング:アンリ・グートルブ キュヴェ・トラディション・ブリュット

イベントの幕開けを飾ったのは、冬の滋味を感じさせる先付です。やわらかく炊き上げられた聖護院大根には鮑の旨みがじんわりと染み込み、仕上げの柚子が凛とした香りを添えています。穏やかでありながら、奥行きのある味わいが印象的でした。
合わせられたシャンパーニュは、ピノ・ノワール主体のふくよかなコクと繊細な泡立ちが特徴です。料理の旨みを包み込みながら、柚子の香りを軽やかに引き立て、和とシャンパーニュの美しい調和を感じさせてくれました。


② 造り 鯛、やりイカ

ペアリング:ルバイヤート甲州シュール・リー2023

続く造りは、鯛とやりイカというシンプルだからこそ技が問われる一皿です。素材の鮮度、包丁の入れ方、そのすべてに大将の確かな仕事が表れています。
ペアリングは、勝沼・丸藤葡萄酒工房の甲州ワインです。シュール・リー由来の旨みと穏やかな酸が、鯛の上品な甘み、やりイカの透明感のある味わいを引き立てます。日本料理と日本ワインの相性の良さを、改めて実感する組み合わせでした。


③ 焼物 ロッシーニ風

ペアリング:ル・クロ・デュ・カイユ コート・デュ・ローヌ ルージュ

この日のハイライトは、年に一度だけ提供される大将特製の「和風ロッシーニ」です。フォアグラの濃厚なコクを、和の感性で見事にまとめ上げた一皿は、力強さと品格を兼ね備えています。
これに合わせたローヌの赤ワインは、果実味とスパイス感が豊かで、料理の厚みを正面から受け止めます。和と仏、それぞれの技と文化が一皿の上で響き合い、今回のイベントを象徴する印象的な瞬間となりました。


④ 揚げ物 セコガニクリームコロッケ

ペアリング:シャトー・イガイタカハ オヤジダンディ ホワイト2023

締めくくりの揚げ物は、冬の味覚・セコガニを贅沢に使ったクリームコロッケです。濃厚でありながら重さを感じさせず、衣の軽やかさと中身の繊細さが際立ちます。
ペアリングされた白ワインは、マルサンヌ、トラミナー、シャルドネをブレンドした白ワイン。綿菓子を思わせる甘くふわっとした香りがしたかと思うと、カリン、黄桃、洋ナシ、蜂蜜レモン、ほのかなバラ、レーズン、、、と時間の経過とともに様々な香りが漂ってきます。程よい酸と苦みがクリームのコクを心地よく切り、余韻をすっきりとまとめ上げ、最後まで完成度の高い流れを演出しました。


料理人の技と想い、そしてソムリエの感性が一皿ごとに結実した
『クリスマス会席×ワインペアリングイベント』。
和食とワインの可能性を改めて感じさせてくれる、特別な季節にふさわしい、記憶に残る一夜となりました。

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