季節を愉しむおすすめワイン Vol.1 お花見に合うワイン

2026年2月20日

お花見に合うワイン
 ― 春の景色と、グラスの中の香り ―

 

 

寒かった冬もようやく終わりが見えてきましたね。
待ち遠しかった春とともに訪れる日本の楽しみといえば、そう、お花見ですね。

そんな桜が咲く季節は、少しだけ時間の流れが変わります。
いつもの道がやわらかく見えたり、空気が甘く感じたり。
そんな春のひとときに、自然と欲しくなるのが「外で飲むワイン」です。

お花見のワイン選びに、難しいルールはいりません。
ただひとつ大切なのは、“春の時間に合う味わい”を選ぶこと。
濃すぎないこと。重すぎないこと。
そして料理や会話の邪魔をしないこと。

お花見は、ワインを主役にする場ではなく、桜と人と食事をつなぐ、ちょうどいい存在としてワインがある。
だからこそ、お花見には「日本ワイン」がとてもよく合います。

 

お花見ワインは「軽やかさ」が正解

お花見は、冬の終わりと春の始まりが混ざる季節です。
昼はぽかぽかでも、夕方になると急に冷える。
料理はお弁当、惣菜、テイクアウト、揚げ物、サンドイッチなど、幅広い。

そんな場面では、
・濃厚すぎる赤
・樽が強すぎる白
・アルコールが高すぎるワイン
は、意外と疲れてしまいます。

お花見に本当に向いているのは、
酸がきれいで、飲み口が軽やかで、もう一杯飲みたくなるワインです。

ここで活躍するのが、日本の冷涼産地で造られる白、ロゼ、そしてやさしい質感のワインたち。
まさに今までのコラムでお伝えしてきた
「食卓で完成する日本ワイン」が、お花見でいちばん輝きます。

 

お花見におすすめのワインスタイル 5選

ここからは、お花見に相性の良いワインを
スタイル別にご紹介します。
品種名を覚えていなくても大丈夫です。
「このタイプを選べば外しにくい」という形でまとめました。

 

① まずはこれ。桜の季節の“万能”ロゼ

お花見に最もおすすめしたいのが、ロゼワインです。
ロゼは、白の爽やかさと赤の果実味を両方持ち、
お花見の料理に驚くほど合わせやすい。

たとえば、
・唐揚げ
・焼き鳥
・だし巻き卵
・おにぎり
・サンドイッチ
・惣菜の盛り合わせ

こうした「味がバラバラになりやすい料理」を
ロゼはまるごと受け止めてくれます。

特に日本のロゼは、香りが派手すぎず、酸がきれいで、飲み疲れしない。
まさにお花見向きです。

おすすめワイン⇒ KUJU WINERY KUJU ロゼ Catwalk 2024
         Rue de Vin ピノ・ノワール クレール 2023
         2020 高畠バリック プレミアムロゼ

 

② 春の香りをつなぐ。ソーヴィニヨン・ブラン

春は、香りの季節でもあります。
菜の花、ハーブ、柑橘、若葉。
そんな香りとリンクするのがソーヴィニヨン・ブランです。

日本のソーヴィニヨン・ブランは、ニュージーランドほど派手ではなく、香りと酸の輪郭が整っています。

合わせたい料理は、
・サラダ
・春野菜のマリネ
・ハーブを使った鶏料理
・レモンを添えた魚料理

お花見でよくある「野菜が少ない問題」も、ソーヴィニヨン・ブランがあるだけで解決します。

おすすめワイン⇒ ヴィラデストワイナリー ソーヴィニョンブラン 2022
         信州たかやまワイナリー ソーヴィニヨン・ブラン2023

 

③ 樽熟成していないシャルドネ
― “まっすぐで軽やか”な春の白 ―

シャルドネというと、「樽の香りが強くて濃厚」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
けれど実は、シャルドネは造り方次第で、驚くほど表情が変わります。

お花見におすすめしたいのは、樽熟成していない(もしくは樽の影響がとても少ない)シャルドネです。

このタイプのシャルドネは、果実味がまっすぐで、酸がきれい。
口当たりが軽やかで、春の空気にとてもよく合います。

合わせたい料理は、
・白身魚のフライ
・海老や帆立
・塩味の焼き鳥
・ポテトサラダ
・チーズ

「シャルドネ=重い」を覆してくれる、春にぴったりの一本です。

おすすめワイン⇒ 楠わいなりー シャルドネ・アンウデッド2022
         NAKADA WINES CHARDONNAY Block1 2024

 

④ ほんのり色づいたピノ・グリ
― とろっとしたコクが、お花見料理を包み込む ―

お花見の料理は、意外と“油”が多くなります。
唐揚げ、揚げ物、惣菜、焼き鳥。
そんなときに活躍するのが、ほんのり色づいた、コクのあるピノ・グリです。

日本のピノ・グリは、酸と果実味のバランスが整っているだけでなく、造りによっては少しだけ黄金色に近い色合いになり、とろっとした質感を持つタイプがあります。

この「やさしい厚み」が、お花見の料理の油分や旨みを受け止めてくれます。

合わせたい料理は、
・唐揚げ
・だし巻き卵
・照り焼き
・焼き鳥(タレ)
・春キャベツの炒め物

白ワインなのに、どこか満足感がある。
でも重くはない。
この絶妙な立ち位置が、お花見にぴったりです。

おすすめワイン⇒ NAKADA WINES Pinot Gris Block2 2024
         ヴィラデストワイナリー ピノ・グリ 2024

 

⑤ “軽やかな赤”を選ぶなら、酸がきれいなタイプを

お花見は白が主役になりがちですが、赤ワインが欲しくなる瞬間もあります。

たとえば、
・焼き鳥
・ローストビーフ
・ハムやソーセージ
・甘辛い惣菜

こうした料理が並ぶと、赤があるだけで食卓が整います。

ここでのポイントは、「濃くて重い赤」ではなく、酸がきれいで、タンニンがやさしい赤を選ぶこと。

お花見は長時間になりやすいので、飲み疲れしない赤を選ぶと、最後まで心地よく楽しめます。

おすすめワイン⇒ 高畠ワイナリー 2023 高畠バリック ピノ・ノワール
         信州たかやまワイナリー ピノ・ノワール2023

 

お花見ワインは「温度」が大事

お花見で失敗しやすいのは、ワインの種類ではなく温度です。
特に白やロゼは、ぬるくなると一気に魅力が落ちます。

おすすめは、
・保冷バッグ
・凍らせたペットボトル
・缶の保冷ホルダー

この3つがあるだけで、
お花見ワインの満足度は段違いに上がります。

赤は冷えすぎると香りが閉じますが、外の気温が低い春は、むしろちょうどよくなることも多い。
お花見は、ワインの温度を自然が調整してくれる季節でもあります。

 

お花見ワインは“正解”より“気分”でいい

ワインの選び方には、もちろん理屈もあります。
でもお花見は、もっと自由でいい。

桜が咲いている。
風が気持ちいい。
料理を持ち寄った。
それだけで十分に特別です。

だから、「この料理にはこのワイン」
と決めすぎなくていい。

むしろ、どんな料理でも受け止めてくれるワインを選び、気負わず飲むこと。
それがお花見にいちばん合っています。

 

まとめ|桜の季節の1本は、日本ワインで

お花見に合うワインは、派手さよりも軽やかさ。
濃さよりも調和。
主張よりも、寄り添いです。

ロゼ、ソーヴィニヨン・ブラン、樽熟成していないシャルドネ、ほんのり色づいたピノ・グリ。
そして酸のきれいな軽やかな赤。

どれも共通しているのは、「飲み疲れしない」ことと、「料理と一緒に完成する」こと。

お花見は、一年の中でも、ほんの短い贅沢です。

今日の一本が、桜の景色をもっと美味しくしてくれるはずです。

ぜひこの春は、日本ワインと一緒にお花見を楽しんでみてください。

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